混合型頭痛に侵食される前に|症状を見極めて個人に合った治療法

医者

薬物による頭痛

定義と症状

頭痛

偏頭痛は明るい光などで誘発され片側性で鋭く、拍動性で吐き気などの症状を伴う頭痛です。また緊張型頭痛は様々なストレスや鎮痛薬の過剰服用によって引きおこされる、帯状に圧迫されるような鈍い頭痛です。これらふたつの頭痛は家族内での発生が知られ女性に多い共通点があり、同じヒトにおこる場合かつて混合型頭痛とよばれました。現在ではこの様な頭痛の多くは鎮痛剤ののみすぎによってそれぞれが独立しておこると考えられ、薬物乱用頭痛といわれます。薬物乱用頭痛はアセトアミノフェンやアスピリンなどの一般鎮痛薬、スマトリプタンなどのトリプタン製剤、エルゴタミンや複合剤を頻繁に常用量を越えて服用したり予防的にのむとおこります。この頭痛が生まれる仕組みは、頭痛薬の過剰な服用によって鎮痛薬の場合には炎症を鎮めるために働く酵素シクロオキシゲナーゼなどの働きが低下したりトリプタンの場合には頭痛の原因になるセロトニンが結合する受容体がより敏感になったりすることです。大量のカフェイン飲料は、薬物乱用頭痛を促進させます。薬物乱用頭痛での混合型頭痛は多くの場合毎日起床時から始まり数時間から数日間続きます。労作やストレスで悪化することもあり、常用している鎮痛薬は効きません。吐き気、だるさ、不安、集中困難、記憶障害、過敏やうつ気分がおこることもあります。また頭痛の種類が1日のうちに偏頭痛型から緊張型頭痛へ又は逆に変わることもあります。薬物乱用頭痛によって生命が脅かされることはありませんが、重いときには日常の活動が妨げられることもあり治療が必要です。

診断と治療

薬物乱用頭痛の診断には、混合型頭痛といわれていた偏頭痛や緊張型頭痛が1か月に15日以上あり、アセトアミノフェンやアスピリンなどの一般鎮痛薬、トリプタン製剤やエルゴタミンを3か月以上定期的に乱用していることが必要です。そしてこの期間中に頭痛が顕れたり悪くなり、かつ薬を止めた後2か月以内には無くなったり以前の様式にもどる頭痛が薬物乱用頭痛と診断されます。神経学的な検査や頭部の画像検査は正常です。頭痛の特徴が変化し発熱、言語障害、手足の脱力感やしびれ感、けいれんなどがおこった場合には、他の病気による頭痛の可能性があり医療機関での受診が必須です。器質的な疾患を診断するために頭部コンピューター断層撮影スキャンや核磁気共鳴画像法などの画像検査、血液検査や脳脊髄液を調べる腰椎穿刺などがおこなわれます。薬物乱用頭痛でおこる混合型頭痛を治療するには、頭痛がおこっても1か月間は常用していた鎮痛薬、トリプタン製剤やエルゴタミンをのまないようにします。離脱症状として、吐き気や嘔吐、不眠、緊張感、さらに不安感、便秘や下痢、低血圧や頻脈などが数週間続く可能性がありますがやがて回復します。これらの離脱症状や耐えられない頭痛を治療するためには、薬物乱用頭痛の原因になっている薬とは別の非ステロイド系抗炎症薬ナプロキセンや吐き気止めのプロクロルペラジンなどが用いられます。アミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬は薬物乱用頭痛の予防薬として最適な薬とされ、離脱症状がおこる前から始めることができます。